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スマートメーターのBルートの利用に関する基本的な知識

電力量計について

皆さんが毎日支払っている電気代は、使用した電力量を元に計算されています。電力量は電力量計というもので計測されます。

電力量計には、検針員が直接計測値を読み取るものと、電力会社と通信してデータを伝えるものがあります。後者はスマートメーターと呼ばれます(2020年3月時点における設置率は75.2%*1)。

計測データの通信ルート

スマートメーターから計測したデータは以下の3つの間で送受信されます*2

  • スマートメーターと送配電事業者(Aルート)
  • スマートメーターと需要家(Bルート)
  • 送配電事業者と小売事業者等(Cルート)

需要家とはざっくり言うと電気を使う個人や法人のことです。我々がこれにあたります。

送配電事業者とは電気の送配電を担当する会社のことです。東京電力パワーグリッド株式会社や関西電力送配電株式会社などがこれにあたります。

 小売事業者とは電気を需要家に販売する事業者のことです。東京電力エナジーパートナー株式会社やauでんき(KDDI株式会社)などがこれにあたります。

つまり表題にある「Bルート」とは、スマートメーターと我々需要家をつなぐルートのことです。Bルートを開通させることで、スマートメーターとそれに対応した機器(HEMS機器)との間で通信ができるようになります。

Bルートの通信方式

BルートはスマートメーターとHEMS機器をつなぐルートです。その通信方式には「920MHz帯特定小電力無線方式(Wi-SUN)」または「電力線搬送通信(PLC)」が用いられます*3

Wi-SUNは920MHz帯の無線を用いて通信を行う方式です。基本的にはこちらの方式がされます。

PLCは電力線(コンセントに来ている電気の線)を用いて通信を行う方式です。スマートメーターから住居までの距離が離れていたり、電波状況が悪い場合に、Wi-SUNに代わって使用されます。

Bルートの利用申し込み

Bルートは申し込みをしなければ利用することができません。申し込みをすることで、送配電事業者がAルートを用いてスマートメーターの設定を変更し、利用できるようになります。つまり申し込み先は送配電事業者になります。

各送配電事業者は申し込みのWebフォームや申請書をWebで公開しています。「(送配電事業者名) Bルート」のように検索すれば上の方に出てくるはずです。

Bルート利用のためのスマートメーターの設定

上で説明した通り、Bルートを利用するにはスマートメーターの設定を変更する必要があります。その設定変更は送配電事業者がAルートを用いて行うため、誰かが直接メーターを触りに来るといったことは基本的にありません *4

設定が完了すると、郵送やメールにて、Bルートを使用するための認証IDとパスワードが届きます。これらはスマートメーター毎に発行されるので、2台以上のメーターが設置されていれば、2通以上の認証IDとパスワードが届きます*5

*1:電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について - 経済産業省 資源エネルギー庁 https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/027_03_00.pdf

*2:スマートメーター制度検討会(第13回)配布資料 - 経済産業省 資源エネルギー庁 https://www.meti.go.jp/committee/summary/0004668/013_haifu.html

*3:電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)利用規約 - 東京電力パワーグリッド株式会社 https://www30.tepco.co.jp/L401/dfw/ninsho/L4iFITWeb/L4MUSG/L4MUSG90401.html

*4:スマートメーター未設置の場合は、スマートメーターを設置するための工事が行われます。

*5:私の場合、単相3線式100Vと単相2線式200V(温水器)でそれぞれ別にメーターが設置されていたので、2通届きました。